星のキャミバ様 Adventure Calendar 第二十八夜: 背番号

今日は次の二つを完了:

  • 新居の電気ガス水道を自分持ちに開く
  • 携帯電話契約

公共料金はとっても簡単

シンガポールでの公共料金は完全に一本化されており、新居での電気ガス水道の使用開始は入居前からインターネットで申し込みできる。ここのページ https://services.spservices.sg/open_utilities_frameset.asp に必要事項を入れて投稿するだけである。メーターが家の内部にある場合はアポイントメントが必要だが、外にある場合、立会いは必要ない。新居に移ったとたんにすべて使える(はず)である。

このフォームで申し込みをするとちょっとたって(多分住所や、部屋番号などを確認するのであろう)、改めて申し込み書面を作り、サインして送ってくれというメールが来る。が、この「送ってくれ」、例によってオリジナルを郵送する必要はない。書面と滞在許可証のスキャンした PDF をメールで送るだけでよい。簡単である。

携帯電話契約もとっても簡単

日本で携帯電話を契約する場合、あまりに複雑な料金体系でちまちまちまちまと説明された挙句、本人確認もやれ住民票か公共料金領収書かパスポートか免許か、支払いの銀行口座はどうだなどごちゃごちゃ言われて難儀をする。住居確認が必要だから、仮の宿に住んでいる人間に通常の携帯の契約はとてもつらいのではないか。

シンガポールでの携帯電話契約は…これはキャリアが三つあるので一概には言えないが…より簡単そうである。以下は StarHub で契約した場合。私は勤務している会社の従業員特別割引制度があってそれを利用したので、普通の場合と事情が違うかもしれない。私の場合必要な物は:

  • EP (滞在労働許可証。ようするにガイジンカード
  • IPA lettre (ここに仮の住居アドレスとして会社の住所が書いてあるので、これを請求書送付住所とする
  • Staff pass (会社割引のため

だけであった。

スマートフォン契約プランは 4 つほどしかなく、それ以外の種々の細かいサービスは紹介さえされない。後でウェブサイトで自分で設定せよということらしい。プランも簡単なのでちゃんと説明はされるがそれほど時間は掛からないし、英語がよくわからなくても大体理解できる。「月々ともだち乗り換えただ割ヤサイダブルホワイトプラン」とかは無いし、妙なキノコとか犬のヌイグルミの中の人も大変だなあということもない。(まあ、 MaxInfinity Elite とかダサい名前はついている。) 空いていたという事もあり、あっという間に契約終了、一応サイン(これまた本物ではなくタブレットで入力である)したら携帯を貰って、えーと他に何かすることあるのかなと、私はニコニコと座っていたら向こうもニコニコと座っている。15秒ほどお互いニコニコニコニコしていたら、もうやることは無いのだそうだ。

後で考えると、必要書類の中で、 IPA は入国前に手に入っているし、 Staff pass はこちらに来て二日目にもらった。EP は少し時間が掛かったが半月くらいで手に入れている。なので、実は 12/15 にはすべての必要ドキュメントはそろっていたのだった。もっと早く訪れていたら良かった。日本国外では日本社会の常識の延長で物を考えていると、思わぬところで機会損失してしまう。ある程度おバカになってとりあえず駄目もとでもやりたいことがあれば人に聞いてみるのがよい、というのはもう私はフランス時代から痛いほど判っているのだが…どうも捉われているようだ。だって銀行口座さえ必要ないんだから!

と思って気がついた。あれあれ?じゃあ電話料金の支払いはどうするの?一緒に貰った紙を見てみたが、電話番号、電話機固有番号、SIM番号はあるが電話会社に払う際のアカウントIDのや、支払い銀行口座が…空欄だ。

ありゃオカシイと思ってまた店に出向いて話を聞いたところ、支払いアカウント番号は第一回目の料金請求のときに、請求書に書いてあるから、それ使って自分で好きな方法で支払ってくれ(クレカ払いだったり、自動引き落としだったり)とのことだった。

ようするに、身分証と、請求書を送りつける確かな住所があれば、銀行口座がなくても、家が決まってなくても、携帯が契約できるのだ。シンガポール恐るべし。

で肝心の携帯は当然 Sim lock free だし(法律で消費者を縛っていはいけないとあるらしい)、カメラを起動しても音が鳴らない(ようにできる)し、テザリングもごく普通に可能。まあこのごろ日本の携帯事情も lock free とテザリングは認められつつあるみたいだけど…こっちの割り切りを見習って欲しい。

なぜこんなに簡単なのか

公共料金と携帯電話契約、両方ともあまりにすんなり行った上に、どちらも支払い方法を指定せずに開通してしまった。大丈夫か?!と思ったが、大丈夫なのだ。

シンガポール国民には NRIC No. ガイジンには Work Pass FIN No という背番号が振られており、公共料金も携帯電話もこの証明書のスキャンを取られている。なので料金の取りはぐれは無いようだ。もしあったとして少ないから、その少ないトラブルのために大多数の善人の利便性を犠牲にするのはナンセンスなのだろう。合理的ではある。

ただ、まあこの背番号、何をするにも聞かれる。どれだけちゃんと管理されているのかわからないが…国民背番号制に反対のあなたはシンガポールに移民しないほうがいいみたい。