博士の異常な愛情 / または私は如何にしてあまり心配もせず関数型言語プログラマになったか

http://d.hatena.ne.jp/camlspotter/20091030/1256920989

うぁ、朝起きたら読んだら品の無いエントリに仕上がっている。元記事の事を意図的に悪く悪く捕らえている。じゃあもう一つついでに言っとく。

人月市場ではやっぱり共通言語としてのオブジェクト指向てえのが有って、マンパワーとしてカウントされるためにはやはりその素養が無いと困る、という元増田の意見は良く理解できる。ただ残念なことに共通言語としてオブジェクトは複雑すぎたのではないか。だったら何が良かったのか、と言われると困ってしまうけれども。ただ既に賽は投げられ決定は下されてしまった。もう替えることは難しいだろう。そしてこの市場で人月(月には肉という意味もある)として切り売りされることでいろいろな悲喜劇を経験している多くの人がいるのは皆さん良くご存知の通りだ。

ここから書くことは非常な暴論であって、もし実行されるのならよくよくよくよく御自分で考えてからやって欲しいのだが、労働集約のツールであるオブジェクト指向から敢えて離れることで、人肉の立場からも離れるという選択肢が無いわけではない。他のパラダイムにスキルセットをシフトすることで新たな道が開ける可能性も考えてみてはどうか。例えば関数型。オブジェクト指向と比べれば(俺にとっては)簡単なのに圧倒的にマイナーなパラダイムだから労働市場は無視できるほど小さい。だが、もし参入することが出来れば、俺の知る限り、そこはまだマンパワー換算による労働集約が大規模には入り込んでいない世界だ。商品として扱われることがあったとしても、もっとましな扱いだろう。もちろん、大きい市場が無いということは労働者流動性も低い。上手くいけば長く安定したキャリアを積めるだろうが、逆に下手をすると流動性の低さが仇になるリスクも有る。まあそんな時は関数型で得た知識と共に元の流動性のある市場に戻ればよい。俺はオブジェクト指向の能力が無いから気が付いたらこのニッチな分野で飯を食っていたという男だ。だからその手は使えないので正直関数型言語プログラマになってしまってからヒヤヒヤしている。

流動性の有る市場で過ごすのは悪いことではない。でももしそこで単価が低いとか、それはスキルの無い参入者のせいだ、とか言うのなら、それだけの能力をお持ちなのだから外でもやっていけるはずだ。自分からその市場を出てみる、ということも考えた方がいい。

もちろんこれは関数型(もしくは他のパラダイム)がオブジェクト指向より優れているという事では全くなく、単に現時点で希少価値のあるスキルというだけの事。特に関数型はちょっと今もてはやされかけているので下手をすると市場規模が爆発する可能性が無いでもない。規模上昇中は売り手市場だからよいだろうが、もし飽和したら、、、現在のオブジェクト指向による労働市場とそう変わらなくなるはずだ。そうなる前に俺は何かアクションを起こすつもりだが、どんなアクションをおこすかまでは、まだ決めていない。まあそんな事は未来永劫起こらないかもしれない。起こったとしても10年は先の話だろう。20年くらい先だと俺の年齢的にはご都合が良い。

まぁ一言で言えば、何でわざわざ皆が知ってるスキルを身に付けるの?敢えてレアなスキル持ってたほうが、何か面白い展開があるかもしれないよ?つぶしは利かないから常によりいっそうの自己研鑽が必要だけど。てぇ事だ。

追記

原題の「博士の異常な愛情」を見て無い人は冷戦の記憶が亡くなる前に観るべき。キーワードはエッセンス。

エッセンスが大事なのだよ。エッセンスが…

俺のエッセンス…