星のキャミバ様 Adventure Calendar 第603~605夜: ペナンに行ってきた

これは 2013年7月の旅行記です。

(面倒なんで東南アジア方面用語は解説しません。ググッておくれー)

うちの息子の毎度曜日のスイミングが先生の夏休みで二週間なしになりました。で、急に旅行してみようということになりました。アンコールワットとか見に行こうかとも思いましたが、急に旅行というとなかなかプラン立てづらそうな重量級ターゲットなのでパスして、近めでちゃっと行ってちゃっと帰れるところにしようということになり、シンガポールから直行便のあるペナン (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%8A%E3%83%B3%E5%B7%9E) にしました。

ペナンは檳榔島とか檳城とか書かれますが檳榔樹の産地だったようです。ペナン州の旗にもこの椰子科の木の絵が描かれていますね。ペナン博物館にも檳榔セットが飾ってありました。一度やってみたいものですが、ペナンでもシンガポールでも見たことはありません。台南とか行けば薄着のお姉ちゃんが売ってくれるみたいですね。えへへ

急に決めたのであまり考えがいかなかったんですがマレーシア方面はこの一週間スマトラ島焼畑煙害のヘイズがまたひどくなり煙かったそうです。で、わざわざ金曜有休取って煙いとこ行くことになってしまったか…とちょっと憂鬱だったのですけれど、木曜日に雨が降ってヘイズは無し!幸運にも日曜日までぜんぜん問題ありませんでした。

ペナンというとジョージタウンという旧市街の西華馬印文化融合地帯と島北岸のビーチリゾートが有名。私たち三歳の子連れで、もし雨が降ったりしたら…と考えて、子供向けのプレイグラウンドやプールのある北岸 Batu Ferringhi のまあツマンナイビーチリゾートホテルに泊まりました。

Batu Ferringhi は海岸良かったですよ。水に透明感はないが、なかなか綺麗な浜がドドーンとあり、ホテルの人たちは大体プールでちゃぷちゃぷやっているので空いている、特に午前中はほぼ無人。マリンスポーツのセールスも淡々としているしウザクない。息子は人の多いプールより波打ち際をワーッと走るのが気に入ったのでずっと付き添いで遊んでおりました。海水がしょっぱいのを知らなかったので驚いていた。私は日焼けで疲れたよ。まあ子供はベッド寝かしたら一瞬で寝ましたから助かりましたが。家族連れだとこういうところが楽なんだなあということがようやく私らもわかりました。客層は多国籍。日本人客も多し。Batu Ferringhi の問題は飯がまずいってことかな…

一日目の夕方は Gurney drive のショッピングセンターをちょっと冷やかして、そばのホーカーで夕食。ショッピングセンターはシンガポールとあまり変わらないが、ただただ広かった。ここのホーカーは青天井。晴れていて気分が良い。

ここのホーカーのシステムはシンガポールのに慣れているとちょっと戸惑いました。シンガポールはどこの席に座って何食っても構わないんですが、ここ(少なくとも Gurney)のはテーブルにメニューが置いてある。で、テーブルに屋台の番号が書いてある。どうやら屋台が持っているテーブルらしくって、そこのメニューが置いてあるわけ。豆乳屋とかの。どうやらまあ、そこに座るならそのテーブル持ってるとこのドリンク買ってね、ということみたい。確かに豆乳とか一杯1.6RMとか50円しないんで場所で縛りいれないときついかもなあと思いました。で、まあドリンク買えばほかの屋台の物を買ってくるのは当然自由。

飯は旨いんだよーこれがー。特にペナンラクサてのはシンガポールラクサと違うというのでぜひ食べようと思っていたんですが、"Penang Laksah" って書いた屋台はない。まあ日本の蕎麦屋で「日本蕎麦」と書いてあるところがないのと同じ。で、"Asam Laksah" て書いてあるところで行列がある店で買ったら当たりでした。ペナンラクサは鯖とかの出汁で Asam つまりタマリンドで酸っぱい味付けがしてある。少しだけ辛い。ココナツミルク風味の辛い辛いシンガポールラクサとはまったく違いました。そのほか雲呑麺。牡蠣オムレツ。ロジャック(Penang Rojak: 何故か半生イカの入ったフルーツ野菜サラダ+デロデロソース。食ったことない人には正直説明できない)など取り全て落ち着いた味付けかつ、具もいろいろ入っているし香草などのシーズニングもしっかりしており、シンガポールのホーカー料理に慣れていると「手を抜いていない」感に圧倒されます。大体値段は 3.5RM。くそ安い。ただし量は全体的に少なめなので、いろいろここの屋台からこれ、こっちからはこれ、と、食べる感じになります。それもいいね。

息子はこのところチェンドルのファンなのでチェンドルを与えました。で私たち夫婦は美味しいもの食べると余計物を食べたくなる人種なので、何かご飯物を…と思いましたが無いのですねなぜか。ほとんど無い。麺類ばっかり。咖喱…と看板に書いてあるからおっと思ってみると咖喱麺だったりする。おやぁと思いつつ屋台を縫って進んでいくとちょっと切れ目っぽいところがあって、その向こうがムスリム系屋台の場所でした。ここはご飯がある。Nasi Lemak とか。さらに Nasi Tomato とか Nasi Kandar とかシンガポールでは見たことの無い物があり、気になりましたが、一番端っこで鳥を大鍋でガンガン揚げている Nasi Lemak Ayam の店に行列があったので、そこで Nasi Lemak + Ayam(鳥揚げ)をもらいました。なんかペナンの人達は食べたい鳥唐揚げを自分で選んでもいいらしい。なんで鳥唐揚げを一つトングで取り上げてウーンこれは骨が多いからこっちにしよ、とかノンビリやっている。


奥のほうでチキン選んでます。米のお櫃の上に一緒に炊いた葉っぱが置いてある。

で周りを見るとムスリム食ゾーンは皆さん食べ物を机の上に置いているが食べていない。ただだべっている。ああ、そうだラマダンだったのでした。日没までは彼らはご飯を目の前に置いて我慢するのです。面白いのはムスリム食ゾーンはほんとにムスリムの人たちだけで中華系で勝手にバクバク食べている人はいなかったってことかな。シンガポールでは Geylang Serai のホーカーとかに行くとこういうのを見れますが非ムスリムもいたと思います。(なかなか我慢している人の横でパクパク食えるものではありませんが)幸い、私が Nasi Lemak Ayam を待っている間に日没が来て皆さん美味しそうにご飯を食べ始めました。で、これ旨かったです。鳥唐揚げは揚げたてで多分衣に何かちょっとスパイスが入っている。サンバルは凄く軽く作ってあって辛味の他にもトマトっぽい味もある。パクパク食べてしまいました。

二日目。Batu Ferringhi から George town に出ていろいろ見学に行きましたが、ホテルが出している無料シャトルバスが満員…なので公共バス101に乗って行きました。一人3RM(<100円)しないくらい。バスは George town 方向に行くって事がわかってただけでどこで降りたものかわかりませんでしたが、事前に Google Map をオフラインで使えるようにしておいたので、通りの名前とにらめっこしつつなんとかなりました。(私の携帯の GPS 効きが悪いんですよね… Wifi access point 使わないとぜんぜん感度が出ない。そして外国なのでそれは使えない。)ここか!と思って降りたら潮州會館の前でした。ちなみにタクシーだと40RM。ここのタクシーはメーターがあるのにメーターを使いません。ゾーン区分けになっていてそれで値段が決まるらしく行き帰りいつも同じ値段を言われましたから、ぼっている感じは皆無でした。で車が混みます。北岸から George town まで、特に Tanjong Bungah から Gurney の間がボトルネックになっていて凄く混みました。

バス、タクシーの運転手も町の人も英語はシンガポール人より聞きやすい。下手に国語になってないからでしょうか。妻はマンダリンでも少し話していた。

George town で見学したのは

潮州会館では地元の御婦人と少しお話をしました。息子さんを亡くされて線香をあげに来られていたところだとか…子供がいるとこういうお話聞くのつらいですね。

観音寺では皆さん熱心にお祈りしていました。息子は蓮の花の蝋燭を「どうぞ」したいといって聞きませんでしたので一つ小さいのを買ってお供えしました。なんと蝋燭や線香だけでなく、灯明の油もお供えするのですね。300ml入りくらいのボトルを買って、灯明が浮かんでいる油の器に皆さん注いでおりました。(芯が無いと火がつかないから安全みたいです)

ペナン博物館は、まあシンガポールのアジア文明博物館を知っていればあまり行く必要も無かったかと思いますがペラナカン文化に興味を持っている妻は何か資料の写真を取っていました。

ペラナカン博物館に行く前に、その横の Kafeteria Dan Hotel Eng Lo http://wikimapia.org/#lang=en&lat=5.417728&lon=100.341804&z=17&m=b&permpoly=3438883&show=/14073053/ というまあ街食堂で昼御飯食べました。これも旨かった!前日に見た咖喱麺があったので注文したらシンガポールで言うラクサでした。といっても具材が多く辛すぎず…シンガポールラクサももっと手を抜かないで欲しいなあと思ってしまいます。この建物は日本的な観点からはまあキッチャナイ建物なんだけど、どうやら建築様式としてある時代の標準的は造りでそれなりに価値のある建物のようでした。

ペラナカン博物館は…これは凄いですね。もうなんというかここ行くだけでペラナカン分満腹です。ペナン行ったら是非見に行ってください。家の真ん中が吹き抜けになっていて間接光が心地よい。西洋風応接間は壁は中華風があったりして、昔の祖父母の家の応接間の和洋折衷を思わせました(もちろん規模はまったく比べ物になりませんが…)ペラナカンの人達が華洋折衷するのと同じ心なんだなあと。ペラナカン博物館は実は奥が結構広くフルチケット(20RM)を買うとどんどん奥まで進めます。氏族のお寺への入り口が判り難いので注意。一番奥の売店で本やペナンの町の写真を購入。息子はかなり退屈して「新しいおうち(ホテル)帰るー」連呼だったのでもう少し落ち着いて見学したかった。

で、観たのこれだけ!です。 The Blue Mansion も Khoo Kongsi も観れなかった…宿は北海岸だし、お子様がいるので…残念なのでアルメニア通りを歩きつつ中山会館(孫文の居たところ)を通り過ぎ、 Comtar でタクシーに乗り北岸へ戻りました。途中いくつも旨そうな町食堂があって胃袋がいくつも欲しかった。


ナツメグジュースです。結局現地では飲まず、シンガポールのペナン料理店で飲みました。$て書いてあるけど単位はRMです。

三日目。荷物があるのでチェックアウト後 George town に行ってまた戻ってくるわけにもいかないので西側の Butterfly farm とホテル前の海岸など。帰りもまた渋滞。北岸で泊まって空港に向かうときは時間を多めに見積もらないと大変です。最終日は George town に泊まるのが良いかもしれませんね(そこからはあるハイウェイがあるので)。タクシーの運ちゃんは無線で仲間と、「どこどこ Jam、どこどこ Clearer」とマレー語で情報交換しつつ、山沿いのうらびれた福建華僑墓地内や村道(日本と田舎と同じで昔はバスが通っていたけど、本道ができてバスの待合だけのこった、みたいな雰囲気のところ)を縫うように走って空港まで連れて行ってくれました。藤原新也のアジアの写真に出てくる痩せた犬が村でブラブラしたりしてるのが見れて、ちょっとしたペナン Kampung ライフが垣間見れてこれは面白かった。今地図で見ると Jalan Mount Erskine から西に入ったとこらしい。

で早めについてしまったので表示に我々の乗る飛行機の表示がなし。で早々とチェックインを済ませて、ブラブラとご飯を食べたり(ムスリムの人がまた日没を待っていた)コーヒー飲んだりしてから出国していたら、アナウンスでもう出るみたいなことを言われました。これがよく響いてぜんぜん聞こえないんですよ。で、改めてチケット見ると Boarding がえらく早い。急いで搭乗口に駆けつけたらなんと予定より20分ほど早く飛行機が出てしまいました。なんか二時間前チェックインでそろっちゃったらちゃっちゃと離陸してしまうみたいですね…初めての経験なのと、シンガポールの結構 on time な国際線経験に慣れていたので、びっくりしました。

ペナン、日本からの直行便がないけど、いいですよ。僕らがシンガポールで好きな部分、ショップハウスとか、ペラナカンとか、安食堂とかが凝縮されて、ノンビリした感じ。 George town もぜんぜんまだ見れていないし、他にも御飯いろいろ食べたいし、また必ず行くと思います。


現在は葬儀社になっている駱駝書局。